嘆き悲しんだ青年は、世を捨てて吟遊詩人になり、放浪の中でこの花をみつけるたびに帽子につけて、亡き乙女をしのんだといわれています。
英語でウォール・フラワー(壁の花)といわれるのは、古い壁や石にからみついてそれらを支え、真夏の暑さに耐えて咲き続けるからです。
ヨーロッパでは「貞節」のシンボルとされているこの花には「逆境にも変わらぬ誠」「愛情のきずな」という花ことばがよく似合います。
恋人をなくした吟遊詩人だけでなく、中世の騎士たちも諸国を巡る間中、この花を帽子にいれて愛する人への貞節を尽くしたということです。