「まあそうだな。赤字は三千万だって?」
「そうらしい。Kが倒れたところで公演を中止したほうがよかったのさ。」
「まったくだ、Sには気の毒だがな。ハハハハ。」
この会話を聞いて、Sさんが深く傷ついたのはいうまでもありません。
このように廊下とか洗面所の雑談、放談というものは、意外によく聞こえるものです。
また聞かれているものなのです。
若い男性社員がトイレで用をたしながら、上役の悪ロをいっていたら、本人に聞かれてしまった、などというケースは、どこにでもあるありふれた話です。
それにもかかわらず、仕事場ではムダロをたたかないのに、一歩仕事場から離れると、妙な解放感からおしゃべりをはじめる人が多いのは、廊下も洗面所も仕事場の一部である、という意識を忘れるからです。
洗面所での失態で悪い立場に追いつめられるほど格好の悪いことはありません。
住宅鑑定風水インストラクター/風水セラピスト・三上靖史